新民主党代表に菅直人氏

 4日午前行われた民主党代表選で菅直人副総理兼財務相(63)が選出された。党所属議員423人のうち約7割の291票を獲得した。対抗馬の樽床信二衆院環境委員長(50)の得票は129票だった。

 菅氏の勝因は「政治とカネ」にまつわる疑惑を拭えない小沢幹事長と距離を置く議員の支持を幅広く結集できたためで、民主党の政権・党運営は大きく変わるはずだ。政治は人間が行う。政策は同一でも人間が変わった以上、運営手法は変わって当然だ。

 しかし、民主党の体質が変わるかどうかになると疑問である。菅氏も代表選出馬を表明した3日の演説では「小沢幹事長にはしばらく静かにしてもらう」と威勢のいい言葉を発したが、小沢氏の強権が発動されていた局面では小沢批判を封じ込めていた。そういう時でも結構、言いたいことを言っていた前原誠司国土交通相とは対照的だった。

 何がフラストレーションだったかと言うと、民主主義の基本原理を否定するかのような力で押し切る小沢流の密室・剛腕政治と鳩山首相の無責任発言。何も生産しない政治家にとって唯一最大の財産は言葉である。人を説得させる弁舌である。オバマ米大統領は弁舌だけで大統領職を獲得したと言ってもいい。それなのに、鳩山首相の言葉は実に軽かった。無責任だった。胸に響かなかった。

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