「電車は血で走る」

 劇団鹿殺し10周年記念ロングラン公演「電車は血で走る」を観た。東京芸術劇場小ホール。神戸で旗揚げし、5年前に東京に引っ越ししてきた劇団。「面白い」との口コミが入って出掛けたら、小ホールながら満席だった。演劇など年に数えるほどしか観ない人間にとっては筋を追うのが大変だった。

 面白いと言えば面白く、とにかくやたらパワフルでエネルギッシュ。しんみりした場面もきちんと用意されていて、目頭が少し熱くなるシーンもあったが、言葉が一部不鮮明で、総じてごちゃごちゃした印象は拭えなかった。10年後には恐らく驚くほど洗練された劇団に生まれ変わっているかもしれない。

 関西生まれの劇団らしく、舞台の設定が大阪・梅田と兵庫・宝塚を結ぶ阪急電車のようで、懐かしさが先に立って、それだけで満足している自分を感じていた。

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