「触れる地球」

 次世代デジタル地球儀「触れる地球」を初めて見た。第6回DAYS国際フォトジャーナリズム大賞「パブリック・プライズ」受賞作品約20点が展示されているコニカミノルタプラザのギャラリー(新宿高野ビル4F)に特別に設置されていた。7月3日(土)。

 直径1.28m。実際の地球の1000万分の1のサイズ。自分の手で実際に触りながら動かすことができるのはこれまでの地球儀と同じだが、地球上を実際に流れている雲の動きやエルニーニョ現象、温暖化や渡り鳥、鯨の移動ルートなどをデジタル的に投影することができる優れ物だ。生きた地球の姿を可視化した地球儀だという。

 開発したのは竹村真一氏。2002年にプロトタイプが発表され、05年の愛・地球博で展示されたほか、08年7月の洞爺湖サミットでも5台が展示されたという。これだけ話題になった「触れる地球」の存在すら知らなかったし、ましてや触ったことなどなかった。この日初めて恐る恐る触ってみた。きちんと動いた。

 写真展の主催者がこのデジタル地球儀で表現したかったのは、いまこの一瞬でもイラクやアフガニスタン、パレスチナ・ガザ地区などで起こっている戦争や至るところで発生している災害や環境汚染に苦しんでいる地球の真実を投影することだった。

 掛け替えのない美しい地球がどんなに傷つき、もがき苦しんでいるのか。地球の現実を如実に映しだすことで、現状を認識し、未来への希望を見出そうという願いを込めたものだ。やはり、現実を直視することから始めるしかない。

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