NHKスペシャル『貧者の兵器とロボット兵器』




 10月17日放映のNHKスペシャル『貧者の兵器とロボット兵器~自爆将軍ハッカーニの戦争~』を観た。アジアの一角でもう9年も続いているアフガニスタン戦争は従来型の戦争とは全く違う新しい戦争の姿が展開されている。

 ハイテク無人航空機など「ロボット兵器」を駆使する超大国・米国の正規軍と、旧ソ連邦製のカラシニコフAK47や手製簡易爆弾など旧式の「貧者の兵器」に頼る武装勢力タリバンによる、互いの姿の見えない戦場で対峙する究極の「非対称型戦争」だ。

 NHKはアフガン戦争の知られざる実像をとらえた膨大な映像記録を入手し、それをNHKスペシャルの形で番組を作った。

 アフガン戦争で武装勢力の中心になっているのはタリバン最強硬派の「ハッカーニ・ネットワーク」。旧ソ連が1980年代にアフガンに侵攻した際、首領のハッカーニは反ソ勢力として米国が最も頼りにし、武器・資金援助をしてきた米国の友人だった。

 そのハッカーニ勢力が自爆テロを最大の武器に、米軍を苦しめている。その米軍が自軍兵士を守るために次々に開発してきたのが無人機を筆頭とする多種多様なロボット兵器だ。無人機オペレーターは無人機のビデオ映像を見ながら、米本土からの遠隔操作で、地球の裏側に潜むタリバンを空爆する。これがアフガン戦争の実態である。

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