吉野家「牛鍋丼」
昼休みに有楽町まで出たので昼飯は吉野家で取ることにした。9月7日から全国一斉発売され、好評が伝えられる「牛鍋丼」が食べたかった。吉野家でたまに食べるのは牛丼ばかりだった、牛鍋丼も気になっていた。並盛280円也。牛丼の並に比べると100円も安い。
食べながら牛丼と何がどう違うのかと考えたが、基本的な味は牛丼と同じ。焼豆腐が入っていたのは牛鍋オリジナル。アメリカ産牛肉を使っているのは同じだが、部位は違うらしい。牛鍋丼のほうがしっかり煮込んであり、いはばすき焼き御飯の感じだ。
隣りの客をちらりと見ると、食べていたのは牛丼。じっくり見ると、牛鍋丼の容器のほうが牛丼より一回り小さい。なにせ100円も違う。内容はもちろん、量的にも減量されていた。むしろ、このくらいの量のほうがいいという向きもあるはずだ。
牛鍋丼を発表した阿部修仁社長の会見内容をウェブで読むと、牛丼の元祖は明治・大正時代に流行した「牛鍋」。牛肉や野菜、豆腐などを、醤油ベースの甘辛いタレで煮込んで食べる日本料理。その牛鍋を御飯に乗せたのが牛丼の元祖。
「その中でも特に牛肉を、御飯と一緒に楽しみたい」というニーズに応えてできたのが今日の牛丼らしい。現在の「吉野家の牛丼」は、牛鍋の進化型。今回発売した「牛鍋丼」はそもそものオリジンである「牛鍋」へ原点回帰したという。価格も280円と昔の価格に戻ることで、牛丼業界の低価格競争に対抗する意思を鮮明にした。たかが牛丼、されど牛丼である。