イライラ吹き飛ばした流出尖閣ビデオ


            (NHK『ニュースウオッチ9』から)

 中国漁船衝突事件のビデオ映像について、公開か非公開かをめぐるすったもんだがあっけない片付いた。映像そのものが何者かによってインターネット上に流されたからだ。見たいのに、見せてもらえなくて、イライラが募っていたが、これですっきりした。隠されれば、逆に見たいなるものだ。

 中国への政治的配慮から公開範囲が国会予算委員会の理事に限定されたが、そんな配慮をあざ笑うがごとくの”犯行”だった。ネット流出は共同通信のスクープらしいが、私は午前1時53分発信の時事通信の携帯電話向け号外速報で知った。止めようとしても、結局は漏れてしまうものだ。見られてすっきりした。

 菅民主党政府はなぜあれほど、「対中配慮」に熱心なんだろう。中国側に「対日配慮」があるようにはとても思えないのに、あれだけ「対中配慮」を見せつけられると、政権首脳は日本国民より中国政府のほうが大事なように思えてくる。おかしな政府である。

 13,14日に横浜で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で日中首脳会談を実現することを最優先課題にしているようだが、表面上の友好を演出するより、日本としての怒りをきちんと形で伝えるべきだ。その結果、首脳会談が実現しなくても、日本が責任を感じる必要はないはずだ。日本政府の対応は逆のように思う。

 メドベージェフ・ロシア大統領が1日、日本政府の反対を押し切って北方領土4島の1つ・国後島訪問を強行した。尖閣諸島は日本領土で、実効支配もしてきた。日本は北方領土も日本領土と主張しているものの、ロシアが実効支配している。ロシア大統領の北方領土訪問はこれが初めてだ。

 ロシアはこれまで、日本側に遠慮して訪問を控えてきたが、今回、その遠慮をかなぐり捨てた。遠慮しなくても日本の抵抗は大したことにならないと踏んだからだ。舐められたものである。日本の対中弱腰外交の足元を見て、嵩にかかって日本に攻勢を掛けてきたのは歴然としている。中露両国からいいようにあしらわれる菅政権のふがいなさには失望・落胆・憤怒が募るばかりだ。

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