送別ランチ@パリの朝市
例年のことながら春は人事の季節。希望通りのポジションを提示された人も、涙を飲んで不本意な部署に転出しなければならない人も天の声を受け入れざるを得ない。自分で決められないのが人事だ。サラリーマンの宿命である。
北の国に単身赴任する元同僚と送別ランチを一緒したのが「パリの朝市」銀座店。高カロリーに逡巡したものの、本人の希望を優先した。もう30年もこの地で営業しているフレンチレストラン。敷居は高くなく、カジュアルなのが長く続いている理由かもしれない。ちょうど1年前にもこの店で別の人と送別ランチを共にしたことを思い出した。
年々歳々花相似たり
年々歳々人同じからず
(劉延芝「代悲白頭翁」)
思い出した漢詩も毎年同じである。思い出す速度が果たして速いのか遅いのか自分では分からない。そんなことを考えていたら、今日の朝日新聞朝刊に、入試問題のネット不正投稿問題に絡んで、ネット世代「覚えるより知識外注」という記事が目に入った。
常時インターネットに接続できる高性能の携帯電話が普及したことで、「学生に知識や記憶のアウトソーシング(外部化)が起きている。いつでもどこでも情報を検索できるなら、自分の脳内に記憶しておく必要はない。むしろ、思い出すのに時間がかかる脳は、『遅い、使えない装置』となる
こうなったらもう人間より、コンピューターやロボットのほうが効率的だ。大変な時代になった。