さらば友よ

 門真市には丸24時間滞在した。長い1日だった。大切な友との別れにはそれなりの時間が必要だ。自分だけの儀式を執り行わなければならない。 

 朝、目が覚めると、昨日とは打って変わって空はよく晴れていた。台風一過だ。ホテルのレストランで朝食を済ませたあと、周辺の散歩に出掛けた。近くに市役所があった。 その裏に彼が勤めた第6中学校があった。午前8時前でまだひと気がない。校庭が広い。裏手に回ると、花壇に色取り取りの花が咲いていた。

 ホテル近くまで戻ってくると、集団登校してくる小学生と出会った。まだ幼いが、すぐに中学生となり、高校生となる。多くの若者が大学に進み成人し、そして社会に出る。30年以上にわたって働き、大方は家庭を持ち、職業人生活を送る。

 組織を退いたのちは、壮年時代とは働き方が異なるものの、自分でできるなりのペースで仕事を続けたり、職業生活で養ったスキルや社会に還元するボランティアに精出したり、仕事にかまけてそれまでなおざりにしてきた趣味に時間を投入したりする日がやってくる。

 退職後も教職関係の仕事を週3日、後はボランティア活動と趣味の絵を描くこと。そう言えば、4月に会ったときも、昨年夏に信州に旅行したときも、「教師を辞める前から人生3分割でいくことを考えていた」と言っていた君。計画通り、事が進んでいたはずなのに・・・。

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