馬籠宿

 

 丹波からの帰途、たまたま休憩した中央自動車道・神坂(みさか)PA(岐阜県中津川市)の売店で、高速を降りずに馬籠宿に行ける耳寄りな話を聞いた。馬籠宿は中山道69次の43番目の宿場。すぐ近くの妻籠宿とともに有名な観光スポットだ。PAから歩いて10分と聞いた以上、確かめねばならない。カンカン照りの猛暑の中、車を駐車場に置いて探索に出掛けた。

 神坂PAから石段を少し上がり、神坂小学校のそばを通り、車道と遊歩道を少し歩くと、そこはもう馬籠宿の下入口。真ん中に石畳を敷き、両側に家の建つ坂にある宿場だった。明治28年と大正4年の火災で、古い町並みは消失したが、その後復元された。今はほとんどがお土産物屋だ。それでも江戸時代の名残を残した佇まいは風情がある。

 馬籠宿は文豪・島崎藤村の生まれた土地だった。生家が「藤村記念館」になっていた。なかなかの趣だ。平日なので静かだった。外が暑かったので館内でたっぷり時間を過ごした。彼が学校教師として奉職した長野県小諸市にある藤村記念館にはちょうど1年前に訪ねたことを思い出した。

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