米債務上限、大枠で合意

資本主義の総本山・米国が債務不履行(デフォルト)に陥る最悪の事態は何とか回避された。米与野党指導部は7月31日夜、①米連邦政府の債務上限を2.1兆ドル引き上げる②その条件として今後10年間で2.5兆ドルの財政赤字を削減する―ことで合意した。世界の金融市場は資本主義のチャンピオン米国がデフォルトに追い込まれる可能性を懸念して株価急落、ドル安・円高進行など混乱してきたが、土壇場の合意成立により、ひとまず小康を保ちそうだ。

米国では無制限な国家債務拡大を防ぐため債務上限を4兆2940億ドルに設定している。上限には既に5月に達しており、米政府は各種資金繰りでしのいできたが、8月2日までに引き上げられない場合、各種給付金の支給などの予算執行ができなくなるほか、国債元利払いのための資金調達が不可能になり、デフォルトに陥る恐れがあった。

上限引き上げには議会の承認が必要で、その条件となる財政赤字削減をめぐり、政権与党民主党と下院多数派の野党共和党が数カ月にわたって対立。市場混乱に拍車を掛けていた。米議会も日本同様、”ねじれ国会”になっていることのほか、来年11月の大統領選と上下両院選を見据えた駆け引きもあって、妥協が難しくなっていた。デフォルトで迷惑するのは米国民で、国民不在の政争に明け暮れる米政局も日本の民主党政権をばかにできない状況だった。

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