【田舎のたたみ方】田舎暮らしにも”逃げ場”が必要だ

長く都会で生活してきた者がいきなり田舎生活に溶け込むのは至難のわざだ。習慣も風習も言葉さえも異なり、おまけに流れる時間も違う。自分の新しい リズムを作り上げるまでには相当な時間が必要だ。いくらインターネットの時代で、都会と田舎、日本と世界が同時進行していくのが頭の中では理解できるとは いえ、バーチャルな世界とリアルの世界とでは自ずから別の世界だ。

こうした肌感覚に加え、知り合いも友達もいないコミュニティーに自分の居 場所を確保できるようになるのは容易ではない。人は1人では生きられない。何らかのコミュニティーに属さねばならない。コミュニティーに入るためには既存 参加者の承認が必要だ。いくらこちら側に、その気があっても、相手側に受け入れる気持ちがなければどうにもならない。保守的な土地であればなおさらだ。

地 域社会への参加には時間が掛かるし、自分と同じ趣味・性向を持った友人を一から作るのは簡単ではない。そういう努力を続けながらも、自分の楽しみをどのよ うに見つけるか。これが田舎暮らしを定着できるかどうかの決め手のように思える。できれば、その楽しみは多いに越したことはない。要は煮詰まったときの” 逃げ場”があるかどうかだ。

 

こんだ薬師温泉玄関

 

田 舎暮らしには避けて通れない作業に疲れ、温泉に浸かった。こんだ薬師温泉(篠山市今田町今田新田)。山腹を切り開いた平成11年出湯の新しい温泉だ。丹波 石をふんだんに使った露天風呂が気持ち良い。夏蝉の泣き声を聞きながら、満天の星を眺める。三日月は隠れて姿を消した。のんびり、ゆったりと湯に浸かる。 命の洗濯が田舎生活にも必要だ。

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