17回目の1.17

6434人が亡くなった阪神・淡路大震災は17日、発生から17年を迎えた。時間は確実に経過していく。17日付日経新聞夕刊(東京版)は社会面で、児童8人が犠牲になった兵庫県・芦屋市立精道小学校で行われた追悼行事を報じている。

報道によると、同小学校出身で震災で父を亡くした関西大2年、小島汀さん(20)が遺族代表で追悼の言葉を述べた。「当時3歳だった私は、この17年間、多くの人に支えてもらったおかげで今年、成人を迎えることができました」。「(父を奪った出来事を)知らないままではいたくない」と思い、防災学を学べる兵庫県立舞子高校に進学。様々な災害の遺児と交流し、「つらいのは私1人ではないと感じた」。

震災は被災者やその家族の人生をも変える。「大切なものを失ったが、代わりに多くの出会いがあり、命の大切さを教わった」。被災者たちのその後人生は過酷だが、それを糧に、より強く、より真剣に生きている人がいることを知るのは嬉しい。

今回は東北三陸沖を大地震と巨大津波が襲った3.11から初めての追悼。神戸市の追悼式には東日本大震災の犠牲者遺族8人も招かれ、2つの鎮魂が1つに重なった。恐らく、日本の各地では今後も地震が発生することだろう。発生を防止できない以上、その被害をいかに最小化するか。そのために何をすべきか。減災意識を文化にまで高める営みを続けることが被災者への最大の供養になると思うのだが、頭で思いながら、体が反応しないのが人間の愚かさなのだろう。

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