ロ中、天然ガス供給で正式合意

虎ノ門ツインビル

虎ノ門ツインビル(旧新日鉱ビル、虎ノ門2丁目)

 

独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の石油天然ガス最新動向ブリーフィングに実に久しぶりに出席した。1年ぶりくらいか。あまり久しぶりだったので、元の開催場所に行って初めて移転していたことを思い出した。悲しい現実を突き付けられたが、それでも思い出しただけでもましか。

月1、年10回開催だが、石油天然ガス・金属鉱物資源関係の調査を継続的、大規模に行っており、調査で得られた情報を開示している。誰でも参加できるのが嬉しい。毎回満席だ。前身は石油公団と金属鉱物事業団。

この日の発表は①ブラジル・プレソルトの生産量50万bpdを突破、今後の生産増はいかに②ロ中天然ガス合意とロシア。ウクライナ情勢-③中国の天然ガス輸入をめぐる動き④地政学的リスク要因に振り回される石油市場-だった。

このうちロシアと中国の天然ガス契約締結は「歴史的」と表現された。

 

キャプチャ

ロシアと中国は5月21日、ロシアが2018年から30年間にわたり、年間380億立方メートルの天然ガスを中国へ供給する契約を正式に締結した。価格は公表されていないが、総額4000億ドル(約40兆円)と推定されている。

合意内容

■供給量:380億㎥/年 (総額4000億ドル)
■期間:2018~20年に供給開始、30年間
■ソース:東シベリア(チャヤンダ・ガス田、コビクタ・ガス田)
■ルート:新設パイプライン「シベリアの力」(Sila Sibiri)経由
■契約条件:石油連動価格、take-or-pay条項(引取保証)
■投資額:ロシア側550億ドル(ガス田開発、パイプライン、コンプレッサー)、中国側220億ドル
■次いで「西ルート」(300億㎥)の議論を開始

 

中国は世界6位の産ガス国ながら、消費は世界3位で、当然のこと不足分は海外から輸入せざるを得ない。2013年は491億㎥輸入した。最大の供給先はトルクメニスタン(240億㎥)で、全体の47%を占めた。

中央アジアからはウズベキスタンとカザフスタンからも供給を受けている。いずれもパイプラインを経由したものだ。LNGはカタールが最大の供給国で、18%を占めた。中国はほかに、ミャンマーからもパイプライン経由で供給を受けている。

ロシアと中国は2006年3月に天然ガス供給で基本合意していたが、今回正式合意に達するまでに8年間を要した。ロシアにとっては稼ぎ頭は石油で、パイプライン建設についても天然ガス・パイプラインよりも石油パイプラインのほうが優先度が高く、東シベリア・太平洋石油パイプライン(ESPOパイプライン)は09年12月に第一期が完成している。

 

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