『NO』(ノー)

CMは世界を変えられるのか!?

CMは世界を変えられるのか!?

 

試写会:『NO』(2012年チリ・アメリカ・メキシコ映画)
監督:パブロ・ラライン
脚本:ペドロ・ペイラノ
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル(主演)
2014年8月7日@日本記者クラブ

 

実は「GOZDILLA」同様、一番良いところを見ないまま会場を退出してしまった。しかし、1時間ほど見た感じで言えば、なかなかの秀作ではないか。

舞台は1988年の南米チリ。1970年に世界で初めて自由選挙で誕生したアジェンデ社会主義政権を73年の武力クーデターで打倒し、独裁を続けるピノチェット政権に対する国際的な批判の高まりを受け、政権の信任投票を問う「国民投票」が行われる。

投票日まで27日間。反対派「NO」陣営に許されたのは深夜15分間だけのTVコマーシャルだけだった。政権支持派「SI」(YES)陣営との一大キャンペーン合戦が展開される。

フリーの広告マン、レネ・サアベドラは家族ぐるみの付き合いのある友人でNO派の中心人物であるウルティアから陣営のCM責任者を務めるよう要請されたものの、政権が対外的に平等をアピールしているだけの出来レースだとみて、気乗り薄だった。

しかし、嫌々参加している中で、次第にプロの広告マンとしてのプライドが芽生え、真剣に取り組むようになっていく。彼が作るCMは資本主義の象徴のようだとして、独裁政権下で迫害を受けてきた党員たちからは不評だったが、「明るい未来、喜び、そして希望を歌い上げる斬新でウィットに富んだ言葉や映像は国民の心をつかんでいく」

若き広告マンが恐怖政治に挑む命がけのキャンペーン。「実話をもとにした真実の物語」とうたった社会派エンターテインメントだ。第65k回カンヌ国際映画祭監督週間アートシネマアワード(最高賞)受賞。日本での公開は8月30日から。ヒューマントラストシネマ有楽町、テアトル梅田、シネ・リーブル神戸で。

 

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