「仕事は人生の一部でゲームと同じ」

講演する吉越浩一郎氏

講演する吉越浩一郎氏

 

ヒカリエから渋谷の街を眺める

ヒカリエ10階から渋谷の街を眺める

 

「Evernote Work day」が渋谷ヒカリエホールで開催された。渋谷は久しぶり。東口にヒカリエができたことは知っていたが、要は昔の「東急文化会館」くらいの認識した持っていなかった。

学生時代、東急文化会館にはよく行った。学友が1階の花屋でバイトをしていたからだ。かなり古い、冴えないビルだったが、渋谷駅周辺の大型開発プロジェクト、区画整理事業のトップバッターとして2012年4月、複合商業施設が誕生した。地上34階、地下4階。

低層部が商業施設、中層部は文化施設、高層部は業務施設。すり鉢状の渋谷の地形を活用して動線を確保するなど近代的な建築技術が駆使されている。情報・文化の発信拠点だという。とにかく渋谷の街はクレーンが立ち、建設中そのもので、とてもおしゃれなファッションシティーというふうには見えなかった。

Evernoteは2年前から使っている。プレミアム会員だ。とにかく、何でもデジタル情報として取り込め、必要に応じて取り出せるのが気に入っている。難点はデータを収集・格納する行為を習慣にすることが意外に難しいこと。つい忘れてしまう。しかし、習慣化できれば、強力な知的武装兵器になるはずだ。ときどき、それを実感している。

イベントのテーマは「Evernoteと実現する新しいはたらき方」。ビジネスユースと個人ユースに分けた構成になっていた。個人対象のセクションに応募したが、前の予定をパスした結果、会場に午後4時30分には到着。ビジネスセクションがまだ続いていた。

ちょうど、トリンプ・インターナショナル・ジャパンの社長を1992年から2006年まで務めた吉越浩一郎氏が講演を行うタイミングだった。毀誉褒貶の多い人物だが、毎日開催する早朝会議での即断即決経営を武器に19年連続増収増益を達成したのは事実だ。演題は「勝てる会社の方程式」。

もう会社人生は終わったので、ビジネス的な部分は関心がないものの、仕事に関する彼の指摘には興味があった。考え方の原点はどうも「夫人がフランス人で、夜遅くまで仕事をして、飲んで帰ったら怒られる」にあるようだ。「家内に言わせると、日本人は家庭を作ることを知らない」という。

■日本人は仕事にのめり込んで一生懸命やる。仕事は人生とイコールだと思っている。そうじゃない。仕事は人生のほんの一部で、ゲームと同じ。それゆえ、ゲームなので決して負けてはならない。そのために大事なのは、業務を効率化する仕組みを作ること。

■仕事のベースになるのはまず体力。その上に気力、意欲、やる気がある、一番上に能力がある。そういうピラミッド構造になっている。すべての土台は体力。それが崩れると、すべてがだめになる。だから8時間眠る努力をする。そうすると、仕事は時間内に終わらせなければならない。残業なんてできない。

■仕事の反対は「休み」ではなく、「遊び」。日本人は体力を使った仕事の仕方をしているからくたびれるし、土日は自宅でゴロゴロしてしまう。欧米人は十分に寝て、体力を残して時間内に仕事を終える。これが大きな違い。

「成功するまでやれば必ず成功する」。座右の銘だという。それまでにあきらめていまう人がほとんどだ。当たり前のことだが、かみしめれば、かみしめるほど味わいがある言葉だ。

当初出る予定だったユーザーイベントはパスした。Evernote CEOのフィル・リービン氏が登場することは知っていたが、体調がいまいちだった。健康第一だ。イベントをカバーしたブロガー氏のリポートによると、同氏は「これからの50年。生産性の世界を変えていきたい」と語ったという。

■Evernoteは今後、「ワークスペース」という概念を推し進めていきたい。

・自分の作業状況と直結-コンテンツ
・第3者とのコラボ(ワークチャット)-コミュニケーション
・単独の考えではなく、外部の情報の質を確認できる。-コンテキスト

これだけではよく分からない。とにかく、「生産性」の分野は日本人が最も苦手とする領域。その分野で、「すべてを記録する」のスローガンを掲げたEvernoteが新しい取り組みを行う。究めてエキサイティングなテーマだ。

 

 

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