「鈴傳」で打ち上げ
「IT Japan 2015」(デジタル経営革新の幕開け)を3日間、朝から夕刻までぶっ通しで受講した。デジタル革命の最先端の動向と、それに直面する経営者の課題を考えた3日間だった。
終わって、去りがたく、日本庭園をもう一度のぞいて帰ることにした。昨日、おとついは雨だった。雨に濡れた緑がきれいだったが、今日は晴れた。空は青く、夕日が辺りを赤っぽく染めていた。
談笑しながら散策する韓国人の男性客や老得夫婦連れなどが公園の緑を楽しんでいた。そういう中で、悠然とくつろぐ猫が一匹。カメラを向けたら、うるさそうに場所を変えた。人間には用がないと言わんばかりだった。
四谷駅近くに、ユニークな立ち飲み屋があることを知人から聞いていた。たまたま四谷にいたので、軽く引っかけて帰ることにした。店はすぐ分かった。地酒専門店「鈴傳」(新宿区四谷1)。
店 の人に「いつから営業しているの?」と聞いたら「100年以上」という答えが返ってきた。HPによれば、創業は嘉永3年(1850年)。しかも、四谷の地 で営んでいるという。160年だ。びっくりした。日本酒が常温で管理されていた時代から品質管理に注目し、地下の冷蔵貯蔵室で商品管理してきた先見性を 誇っているらしい。
店の中に入ると、普通の酒屋だった。立ち飲み屋だと聞いたのだが、と店の人に訊ねたら、奥の「スタンディングルーム鈴傳」を教えてくれた。同店直営のカウンター中心の居酒屋。注文カウンターでお酒(1合かっきりのコップ酒)とアテを頼んで飲む。キャッシュオンデリバリーだ。
昔はたくさんあった「角打ち」(酒屋の店内でお酒を飲むこと)の原型。東京における立ち飲み居酒屋の草分け的存在だという。金曜日の夜だとあって、店内はおじさんや若いお姉さん、お兄さんを含め、むんむんするほど飲み助が集まっていた。
1人でセミナー終了と67歳誕生日の祝福を挙げるつもりだったが、店の場所を教えてくれた知人が既に先に来て一杯やっていた。この店には何度か来ているらしい。1人で飲むのもいいが、相手がいれば、酒はもっとうまい。飲んだのはたった2杯だったが、腹に染みた。