環境にやさしい「バイオプラスチック」

 

生き物が造り出す価値あるもの

 

東京大学農学部公開セミナーが6月23日(土)開かれた。あいにく雨が降り出す空模様だったが、多くの知的好奇心の旺盛な人たちが集まった。

 

これがちゃんと土に還るテラマック使用の手提げ袋

プログラムは①微生物が造り出す価値あるもの②バイオマスエネルギーの現状と課題③未来を拓け!環境にやさしいバイオプラスチック-の3つ。この3つ目のバイオプラスチックが原料が植物のテラマック。

テラマックは樹脂、繊維、フィルム、不織布などあらゆる形態に加工できる。ゴミ袋や手提げ袋、ティーバック、幼児食器。ユニチカ株式会社テラマック事業開発部が作っている。

プラスチックは石油から造られ、工学部の研究テーマだと思われる人が多いが、天然多糖類や植物油などのバイオマスからつくる農学部アプローチも存在することを知ってもらいたい。生物材料科学専攻の岩田忠久教授が講演した。

熱を入れると様々なものに成形加工できる。最大の特徴は軽くて丈夫で長持ちする。われわれの身の回りにはいろんなものがプラスチックで造られている。ペットボトルはすぐ分かるが、成分が同じものもある。

人間が使って捨てると環境に大きな影響を及ぼす。最近では小さく小さくなっていって魚が食べるなどマイクロプラスチックの問題がクローズアップされている。エリザベス英女王は今年2月、プラスチック製品不使用、フランスはスーパーのレジ袋を禁止する政策を導入した。

石油を原料とせずに植物を原料として新しいプラスチックを生み出していく。バイオプラスチックとは、環境中の微生物の分泌する分解酵素の働きにより二酸化炭素と水にまで完全に分解される「生分解性プラスチック」と、再生可能資源である植物バイオマスなどから微生物変換や化学変換の手法によって作られる「バイオマスプラスチック」との総称だ。

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