2019年2月4日 のアーカイブ

「迷ったら茨の道を行け」佐田展隆社長

カテゴリー: 経済/デリバティブ, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会

2019/02/04  23:25


 

紳士服業界に旋風を巻き起こす佐田展隆SADA社長

 

大手寡占のスーツ業界に風穴をあけた「オーダースーツSADA」V字回復の奇跡を株式会社佐田の佐田展隆社長が4日、企業価値フォーラムで事例発表した。

佐田社長は昨年12月、『迷ったら茨の道を行け~汗と涙の経営実践指南書~』(ダイヤモンド社)から出版し、現実にあった中小企業再生劇を公開した。メディアを巻き込んだ戦略や社長が率先して行う販促活動など面白いと思えば面白い。つまらないと言えばつまらない。

しかし、売り上げの半分を占める大手得意先の倒産。大赤字。売り上げを超える有利子負債。莫大な金利。親子闘争。幹部社員の離脱。金融機関からの厳しい追及・父親の自己破産。再生ファンドへの会社売却。社長追放。東日本大震災での自社工場被災。再びの大赤字。父親の後を託された若き4代目経営者。これだけのテーマが並ぶ。話を聞いてみてもいいだろう。

佐田氏は1974年東京生まれ。一橋大学経済学部卒。高校までサッカー部、大学時代はノルディック複合選手の体育会系。大学卒業後、東レでテキスタイル営業。

2003年、父に乞われ、株式会社佐田入社。05年、代表取締役社長就任。バブル時代の大手取引先そごう倒産の傷跡が深く、破綻寸前の企業を黒字化するも、莫大な有利子負債は如何ともしがたく、07年、金融機関の債権放棄とともに、会社を再生ファンドに譲渡。

08年、引き継ぎを終え佐田を退社。しかし、リーマンショックで再生ファンドが解散となり、会社の所有権は転々とする。そこへ東日本大震災が起こり仙台工場が被災し、会社の引き受け手がいなくなった。11年7月に再々生のため呼び戻される。

12年に社長に復帰し、仙台と北京に工場をもつオーダースーツの工場直販事業強化を柱に、直営店による小売業も強化。企業改革を進め、3期連続増収増益を達成し業績を安定化させた。以後も売り上げの拡大を継続。現在では自社をオーダースーツチェーン店舗数日本一に成長させる。

自身が広告塔だ。自社オーダースーツPRのため、自社スーツをまとい、スキージャンプを飛ぶ。富士山に登る。東京マラソンを走る等のチャレンジを行っている。現在、全国に49店舗を持つ製販一体のオーダースーツ会社として業容を拡大している。

現在サッカーJリーグの9チームやバスケ日本代表、プロ野球球団へもオーダースーツを提供するなど品質には高い評価を得ている。

座右の銘は高杉晋作の辞世の句「おもしろき こともなき世を おもしろく」。どうやら私と同じのようである。

「オーダースーツのSADA」と言われてもピンとこない。既成スーツはメーカーが一定規格で大量生産したスーツのこと。DIFFERENCE新宿南口店エリアマネージャーの杉原一臣氏によると、吊るしのスーツがこのタイプ。手軽な完成した状態で売られており、必要なときにすぐ購入できるし、価格も安い。

ただ既製服もデメリットがある。標準体型から外れている人にとっては制限があるし、品質面でもオーダーメイドに比べ生地や縫製のクオリティーを落としているケースもあるからだ。

オーダースーツのメリットは自分の体型に合ったスーツを作れること。自分の好きな生地やデザインを選んでスーツを作れることもOKだ。一度作ってしまえばあとは簡単にオーダーできる。

オーダースーツには3つのオーダー方法が存在する。最も高価なのがフルオーダー。オリジナルの型紙を起こすところから工程が始まるため、完全にオリジナルの一着を作れる。

一方、パターンオーダーはほとんど既製品を選ぶ感覚で作れる。用意されたサンプルの中から自分の体に近いものを選び、着丈などの細かい部分を調整して仕上げるオーダー方法だ。

あらかじめ決められた型紙を使い、工場で大量生産される。価格も安く、仕上がりも早いのが特徴だ。既製品と同じく標準体型に合わせて作った型紙を使うため、よりフィット感のある既製スーツを求めている人に向いている。

フルオーダーとパターンオーダーの中間に当たるのがイージーオーダー。あらかじめ何種類かの型が決まっていて、各自の体に合わせて新しい型紙を起こすようなことはしない。しかし、体型に合わせてCADシステムや手書きで型紙を修正し、それに合わせてスーツを仕立てる。比較的手頃な価格で各自の体型に合ったスーツを仕立てられるのがメリットだ。

「はやりを作るのが仕事」VIDA Corporation社長

カテゴリー: 科学/技術/イノベーション, 経済/デリバティブ

  19:45


VIDA Corporationの杉本大社長

 

2019年度上期企業価値フォーラムが4日、パレスホテル東京で開催され、認定企業3社の社長が事例を報告した。経済産業省中小企業庁と中小企業基盤整備機構が後援している。

同フォーラムは早稲田大学商学部を卒業し、三菱レイヨン、日本経営合理化協会を経て2009年にコンサルタントしとして独立した武井則夫氏が設立した企業価値協会が開催している。

中堅中小企業が対象に、自社が持つ特徴的価値の発見(価値認定)、広報(メディア交流)、進化(活性化)を支援する業務を行っている。

具体的には認定企業を選定し、年2回の認定式を開催。企業とメディアをつなげる業務を行っている。認定を受けると、メディアとのパイプができ、取り上げられる機会が増える。今はテレビの威力が大きいが、テレビ局の記者は「必ず新聞記事を持って取材にくる」(佐田展隆・佐田社長)という。

最初に登壇したのは29歳で創業したVIDA Corporationの杉本大社長。2005年設立。vidaはポルトガル語でライフスタイルの意味。カー用品総合専門店のオートバックスセブンに入社し、米たばこ会社のフィリップモリスジャパンに転職した。創業するのが目的だった。

・車好きの人ばかりだったオートバックスで居酒屋にいったときに、自分が飲みやすい店、先輩と話やすい店をつくろうと思った。「無の空間を笑える空間に変貌させたい」。自分の使い勝手の良い会社を作ろうと思ったのが内装工事業を始めたのがきっかけだ。建築や不動産の勉強をしていたわけでもないが、自分のやりたいことを先に決めた。ポルトガル語のライフスタイルという言葉はそこからきている。

・グループ企業4社で「空間価値を創造する」のがビジネスモデル。物件を探す(不動産仲介業=VIDAマネジメントサービス)、店舗を造る(VIDA Corporation=内装工事業)、守る(VIDAメンテサービス)。それと海外出店サポートのVIDAデザインインターナショナル)。1個ずつだと売り切り商売で終わる。毎回新しい客を開拓しなければならない。新しい商材を作らなければならない。この3つをつなぐことでスポットの仕事からストップの仕事に移行。点から線を作っていく。

・グループ会社が大きくなることで円も大きくなる。8000社の顧客リストを持っている。これが成長基盤であり、大きなビジネスモデルになっている。

・2Dではなく3Dで組織図を見る。・総務・人事など管理系の部署を1つ置く。真ん中に1つを作ることによってビジョンの共有を行う管理体制をとる。

・理念の創造として「ハッピーの創造」。社員数50人。創業して10年間は自分の考えできたが、10年後以降は社員のハッピーを具現化する。

・「うどんやを造ってくれ」といわれた際にうどんやをつくるだけなら単なる請負業。頼まれたことを形にするだけ。価格競争に飲み込まれていく。わたしたちなりの味付けをし物事を生み出す提案をする。これをかなえるためにビジネス自体をデザインする。こうしていったほうがうどんが売れるんじゃないですか。こうやってレイアウト組んだほうが効率が良いのではないか。われわれの提案を付け加えることによってビジネスをもっとうまくするためにデザインする。

・その行為論で不動産を紹介したり、その行為論で設計をしたり、その行為論でメインテナンスを行う。行為で稼ぐのではなく、目的で稼ぐ。そうした体制を強化していきたい。

・小型案件(1~10店舗)から中型案件(11~50店舗)を主戦場としている。小型案件は店長をやりながら社長をやっている。コンテンツはあるが、店舗の広げ方が分からない。自分で不動産を見つけにいけない。この小型案件を中規模に持ち上げていく。

・この小規模なラーメン屋やうどん屋に対して一気通貫でやれますよという会社は存在していない。ここがわれわれの主戦場となっている。

・東京は1つのマーケットプレース。名古屋から東京に出てきた居酒屋(新時代)。名古屋のコンテンツが売り。札幌のお好みやや岩手のそばやが東京出店。東京で名をはせたイタリアンが全国に出て行く。東京新橋で生まれたQueen of Chickensが長岡、京都、大阪と全国展開中だ。東京で認知度を上げることによって地方でも経営したい。地方から強いコンテンツが東京にきて東京でブランディングをかけるビジネスを支援し多角展開していく。

・外食産業もアパレル産業も人口の多い国で出て行く。進出をしやすい受け皿にもなっている。千房は上海に進出している。

・農林水産省とがっつりタッグを組んでいる。米や肉などの国内消費量が減っていく。海外で和食店を作って一次産業を世界に輸出する。外貨を稼ぐ。VIDAがサポート。日本食料理人の海外展開支援事業、日本食サポーター認定制度、調理師技能認定制度の3つを農水省から受託している。農水省との枠組みの中で取り組みができているのは国内ではVIDAだけだ。

・国内では都市部に出て行くか、海外に出て行くか。都市部は競争が激化している。ブルーオーシャンを目指す人も多い。2018年は300人がセミナーに参加した。すべて助成金で賄っている。テストマーケティング、立地調査、渡航費、ホテル代、セミナー費用も税金で賄っている。いわば「味見」だ。

・「なんちゃって寿司屋」などが海外にはたくさんある。競合・類似品との差別化を図るために農水省はロゴ認定マークを出している。日本の農水省が認定した食材を使っている店。

・退店も多い。主因は従業員の雇用が維持できない。修了証を出す。フレンチやイタリアンも出しており、それの農水省版。やめるタームをどう長くするか。1年ではなく3年。海外戦略の支援をしている。今時点ではわれわれだけだ。

・世界各地に商業施設を50個所ほど作りたい。中国福建省福州の中城大洋百貨内にジャパンフードタウン。和食は世界で名の通った食べ物。日本のカルチャーに興味を持った人が集まってくる。集客の武器として和食を使う。

・日本文化を知ってもらって、その国の文化をもっとハッピーにしてもらう。和食を知ってもらってハッピーのなってもらう。日本カルチャーの幸せのお裾分け。そこでテストマーケティングしてリアルマーケティングの場を構築していきたい。これが海外戦略の1つだ。

・ロシアやドバイ万博(2020)。和食ももっと知りたい。ロシアの平均寿命は約58歳。寒いし味の濃いものを食べる。味噌や納豆などに興味持っている。長生きしたい思いが強い。「和食を食べれば長寿になれる」というイメージが海外では強い。マレーシア、台湾など。

・外国人労働者の雇用が4月以降増える。3~4万人。労働環境の進化が求められる。工場の設計はこれまで作業場という捉え方をしていたが、効率重視だった。労働環境も改善が求められる。工場の作り方に対する注文も増えている。

・過去にやったことのないことにどうチャンレンジしていくかが重要だ。過去の実績から積み上げて物事を考えるのではなく、時代を横軸でみて、今年は何がはやってどう動くのか。来年のトレンドは何か。毎日ミーティングを行っている。

・ある編集者は「はやりやムーブメントに乗るのは私たちの仕事ではない。それを作るのが自分たちの仕事だ」。VIDAグループも「ムーブメントをいろいろ提供していって楽しみに変えていき、今後も事業を進めていきたい」。