【散歩】だんご屋も肉屋も定休日ながら練馬美術館で『まるごと馬場のぼる展』を観賞しくたびれた日曜日
■四商通りで「ルリマツリ」を見つける
9歳になったばかりの散歩好きの孫(小3)を連れて29日午後、西武池袋線富士見台駅を目指して歩き始めた。暑くはあったが風が少しあって結構涼しかった。何の目的もなくさすらう散歩も楽しいが、行き先をきちんと定めた散歩も悪くはない。散歩ならどちらも好きだ。
富士見台に行くには自宅から目白通りに出て石神井川を渡って四商通りを歩く。結構狭い道だが、途中から広くなる。歩道もあって子どもと歩いてもそんなに怖くはない。
最近は変な動きをする車もあるので注意が必要だが、かといって注意ばかりしていては散歩も楽しめない。都会は便利さが売り物だが、半面リスクも売っている。バランスが重要なことを十分承知しておくべきだ。
あんまり車を信用していたらひどい目に遭う。車も自分で運転している時と、自分が歩行者の時とでは心理状態が違うのだ。いずれにしても車とけんかをしても勝てないから、気を使う。
四商通りを歩き始めてすぐにとある民家の前に「ルリマツリ」(和名:瑠璃茉莉、英名:Plumbagoプルンバゴ)が植わっていた。丈夫で育てやすい熱帯花木で、涼しげな青色の花が魅力だ。初夏から晩秋まで長期間にわたっ次々に開花する。
庭植えにすると大きく育って見応えがあるが、ほかの植物を覆い尽くしてしまうほど生育が旺盛なのが気になる。原産国は南アフリカ。花色は白、青、紫。
■だんごもメンチも休店でお預け
目的地の1つは西武池袋線富士見台駅近くのお団子屋と近くの焼肉屋。1年前にも散歩で出掛け、偶然見つけた。だんご屋の深川伊勢屋富士見台店と焼肉問屋牛蔵。
ここでだんごを何本か買い、さらに近くの肉屋の売店でメンチを買おうとしたが、団子屋は日曜が休日で、牛蔵の売店も定休日だった。悲しきかな。
深川伊勢屋は明治40年(1907)創業の老舗だし、どうやら牛蔵は格安黒毛和牛焼き肉の超有名店らしい。低価格ながら黒毛和牛を食べられるお店だという。グーグルのコメントを読んでいると、「私は東京の焼肉名店はすべて制覇しているが、肉質、特に脂の質は東京1かと思います」と言われるほどだ。
また「予約の手間はあるが、抜群の肉質のお肉を安価でいただける都内屈指の焼肉屋さん」(Retty)との評判をとっている。知らなかった!売店にたくさんの人が並ぶのもむべなるかな。
■サグーンで腹ごしらえ
そこで仕方なく、富士見台から中村橋に歩いた。駅の間隔はそれほどないという。暑い中歩いた。そして着いたのはヒマラヤン・カレー&バー「サグーン中村橋本店」(練馬区貫井1)。
ここは昨年4月23日に初めて訪れた。アジア・エスニックの店だ。ナンがおいしかったことを覚えている。ダル(豆)カレーをナンの上に乗せて食べた。
ヒマラヤ山脈周辺国のブータン、中国、ネパール、インド、パキスタンなどの料理だ。店主はネパール人で、ネパール風カレーを日本人の口に合うようにアレンジしたものだ。
小さい時から鶏肉が食べられない。チキンと聞いただけで鳥肌が立つほどで抵抗感が際だつ。しかし、ここでは鶏肉以外のカレーもあって、キーマ(挽肉)カレーやダル(豆)カレーなら食べられる。
最後に出るラッシー(ヨーグルト)がとてもおいしかった。実を言うと、この店に来たのはこのラッシーが飲みたいこともある。他の店ではお目にかかれない。日本人の口にはよく合う。
■まるごと「馬場のぼる展」
ナンとカレーでお腹はいっぱい。苦しかった。次いで向かったのはすぐそばの練馬区立美術館(練馬区貫井1)。没後20年を記念して「まるごと馬場のぼる展」(2021年7月25日⇒9月12日)が開催されていた。
馬場のぼるは絵本「11ぴきのねこ」シリーズで知られる絵本作家。青森県三戸町に生まれ、練馬区に約50年間居住した漫画家。わが家にも探せば子どもたちに読んだ絵本があると言う。
残念ながら私は名前は知っていたが、馬場のことをよく知っているとは言えない。自分の仕事に夢中で、子どものことにはさほど関心がなかったのが本当のところだからだ。
1967年に刊行された『11ぴきのねこ』(こぐま社)はロングセラーとなり、現在まで絵本のみならず、キャラクターグッズや人形劇など様々な媒体を通し、世代を超えて愛されていることがよくわかった。
馬場は1952年から亡くなるまで約50年間練馬区に住んだ地域ゆかりの作家でもある。自宅には膨大な日記やスケッチブックが残されていた。
本展覧会では50年分のスケッチブックや、楽しみのために制作した絵画、立体作品、また交友関係などを紹介し、人としての馬場のぼるにまるごと焦点を当てるのが狙いだ。
「描いた つくった 楽しんだ」-1人の漫画家の軌跡が公開されている。公開は練馬美術館で9月12日まで。
カラーリーフプランツは美しい葉を楽しむ植物。和製英語だという。赤、紫、銅葉(ブロンズ)、黄色、ライム、シルバー、白、斑入りなど様々な葉色と形があり、花壇や寄せ植えのアクセント、グランドカバーとして活躍している。
花が咲くカラーリーフプランツもあるが、花よりも葉色を楽しむために使われているものが多い。カラーリーフは一緒に植える花を引き立たせ、より美しく見せる。同じ花でも合わせるカラーリーフによって印象がガラッと変わるとか。
初夏から秋のカラーリーフプランツの代表と言えば、コリウス。種類が豊富で様々な色合いがある。コリウスの生長期は4~6月と9~10月。鮮やかな色彩の葉を楽しむコリウスは、花に負けない華やかな株姿で初夏から秋にかけて花壇を楽しませる存在だ。
ちょっと日本ではこれまであまり見ることのなかったカラーリーフが登場してきている。パープルがグラデーションになった葉色はどうしてこんなデザインになったのか疑問だ。葉の裏側が濃い赤紫色であることから「ウラムラサキ」という和名でも呼ばれている。
ミャンマー原産の植物で、人間の貪欲さには限界がなさそうだ。暑さには強いが寒さは苦手らしい。目白通り(旧道)はいつの間にかマンションや老人ホームが建つ通りになった。そんな中のあるマンションの庭です。
■目の前をバスが・・・
中村橋から商店街を通り、目白通りを横断。旧道目白通りに出たら、目の前を成増町行きの西武バスがよろよろと通過していった。「あ、あ、待ってくれ」と思わず声を上げてしまった。殺生な!
孫と家内はセブンに寄ってアイスを買って近くの公園で食べたらしい。私は目白通りの旧道を3ストップスひたすら歩いて自宅に帰り着いた。汗にまみれて辛かった。
散歩は知らないことを知る機会でもある。いつも歩く道でも何がしかは新しいことに気が付く。これまで気が付かなかったことに気付くこともあるから不思議だ。季節によっても違う。咲いている花も異なるのだ。不思議な気がする。
そんなに歩かない道だと、しばらくしかたたたないのに突然新しい建物がたっていたりすることもすくなくない。新しい建物が建ってしまうと、前に立っていたのが何だったのか分からない。きちんと見ていたはずなのにわからないのだ。見ているようでしっかり見ていないことを知って愕然とする。そんなものだ。
孫と家内がのんびり家に戻ってきたのは1時間後だった。それにしても散歩が好きな孫というのも珍しい。