【ロシア戦争】「日本は意識していないが既に対ロシア戦の立派な参戦国。プーチン政権を打倒するまで戦うしかない」BSフジLIVEプライムニュース

プライムニュース

 

テーマ:「ウクライナ危機と経済」
ゲスト:真田幸光・愛知淑徳大学教授×鈴置高史・元日経編集委員×佐藤正久・自民党外交部会長(参院議員)
2022年3月11日@BSフジLIVEプライムニュース

 

■時間がたつほど抜け穴も拡大

 

・真田=人間というのは規制されると必ず逃げ道を作る。国際銀行間金融通信協会(SWIFT)は対ロシア決済を停止したが、ニューヨークを中心とした米政府管轄下のドル口座を使う場合は止められるが、中国で中国銀行のドル口座を使う場合、抜け道となる可能性がある。中国版SWFTを使いながらそういう決済をしていく形になると、そこがザルになり、ザルは拡大していく。

・中国はまずドルをデジタル決済化していく。ドルを北京で膨らますことをやりかねない。なるべく早くそうしながら人民元に切り替えていく。人民元の基軸通貨化も図っていく。

・デジタル通貨ができれば銀行が要らなくなる。決済機能は銀行の大事な機能の1つだ。ロシアの企業と中国の企業がデジタル決済する。人民元ならば人民元を発行している中国がモニタリングできるし、デジタルドルでも仕組みを中国が持っていれば中国がモニタリングできるようになっている。これが抜け穴になってどんどん広がっていくことは十分あると思う。

・戦争が長期化すると、米国に頼らないシステムが肥大化してドルの国祭通貨としての機能が下がるだけに終わってしまう。今が一番効果があって、中国が同調すれば影響力は今後ますます低下していく危険性がある。

 

■抜け穴を防げ

 

・鈴置=ロシアが一番困るのは半導体だと思う。米国は製品も輸出ストップ。車やスマホなどにも入っている。日欧も加わった。しかし韓国だけが例外を認めてほしいと言っている。米国はそれを止めた。

・米国は中国が半導体をロシアに横流しするとみている。中国はもっと複雑な手を使ってくるだろう。

・佐藤=暗号資産(仮想通貨)の裏の抜け穴を防ぐしかない。全世界的に実効的に締め上げないといけない。コンテナもそうだ。受け穴になっているのが日本と韓国と中国が管理するウラジオストック。シベリア経由のモスクワ行き鉄道は満杯だ。経済の抜け穴をいかに早く埋めていくか。早くやらないと代替策をつくられてしまう。経済と物流の穴を埋めていく。

・アジアが抜け穴になっている。日本はG7のアジアの代表として海と陸でリーダーシップを取る必要がある。アジア諸国に働きかける必要がある。ヨーロッパとの連帯ができる。連帯ができれば日本有事のときもヨーロッパが助けてくれる。

 

真田氏

 

■「日本は既に参戦国だ」と鈴置氏

 

・真田=中国は仲介者としてポーズを取っただけ。国益にかなうようになったときに動いてくる。米露がどちらも傷んで中国が漁夫の利を得られるとある程度確信を持ってくると意志決定できる場合に出てくる。

・佐藤=仲介について述べたのは王毅外相。何も権限がない。仲介よりも斡旋と言っている。それも国際社会と一緒に斡旋すると言っている。要はやる気がない。今は外交が通じない世界だ。プーチンは戦争目的を達成するまでは対停戦交渉もほとんど眼中にない。

・ある程度ゼレンスキー政権が倒れ、次にどういう政権にするか。外交が始まるのはそれからだ。そういう時になれば中国が出てくることはあり得るが、戦いが続いている間に外交の出番はない。

・鈴置=ロシア産の自動車排ガス装置やスマホ部材のパラジウムやコバルト、さらにはロシア&ウクライナ産の半導体ガスやクリプトン(両国で世界シェアの8割)などの希少資源が入ってこなくなるが、市場がタイトになってくるが、これは我慢せざるを得ないのではないか。われわれは戦争をやっている。日本だって交戦国だ。

・日銀はロシアの中銀の外貨準備を凍結した。それを名目にロシアの戦艦が東京湾に入ってきて艦砲射撃することだってあり得るのですよ。日本人は戦争しているという意識がないが、立派な戦争なんです。

・戦争の定義で一番有名なのは「外交以外の手段で相手に言うことを聞かせる」こと。鉄砲だけではない。金融というのは一番はやりの手段だ。日本もプラザ合意以降、金融でやられた。韓国は言うことを聞かなかったら通貨危機に陥れた。当然の手段だ。

・米国は金融戦争の準備をしている。中国が台湾を攻撃した場合、どうやって金融制裁するか。ペンタゴンは年がら年中シミュレーションゲームをやっている。もう戦争が始まって日本も参戦国だ。プーチンは「おれに金融制裁やった国は宣戦布告したものとみなす。だからやり返すよ」と言っている。

・岸田さんはG7に協力してなんてお付き合いのつもりだけど、日本も立派な参戦国になっている。戦争は当面終わらないかもしれない。そうなるとプーチン政権を倒すまで闘うしかないじゃないですか。

 

■佐藤氏も日本は「リングの中の立派なプレーヤー」

 

・佐藤=(佐藤さんも参戦国だとお感じなるのか)はい。そういう覚悟がないとこの戦いは続かない。クリミアのときは日本はリングの外にいた。セコンドではなくてかなり離れたところにいた.今回は雰囲気としてはセコンドにまで近づいている。しかも実態的にはプレーヤーの1人としてリングの中に入っている。

・今回は金融の部分や物品の部分で相当規制をし、物流の部分でも立派なプレーヤーです。

・鈴置=反町さん(司会者)が今から風呂行きます。だから財布預かっててくれ。預かった。反町さんが戻ってきたら、「あんたの」態度悪いから返さないよ」と言ったら怒るでしょう。ロシアにしたらそういうことです。

・佐藤=ロシアから事業撤退を決めた外資系企業の資産を差し押さえると威嚇しているが、一番弱い日本がフラフラしていると日本企業からどんどん狙われる。アメリカは報復をする。だから後回しになる。

 

 

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