9月のサルスベリ
鮮やかな紅色の花を咲かせているサルスベリを見ると、夏の花という感じがするが、9月になっても咲いている。夏から秋にかけてずっと咲き続ける貴重な花だ。「百日紅」という名前で呼ばれることもあるのはそのためだ。
黄色いものは何なのか、ずっと気になっていたが、どうやら「雄しべ」の花粉らしい。花が咲き終わると、果実ができる。遠くから眺めていると、それだけで魅力的なので、これまでそばに寄ってじっくり観察したことがないのに気づいた。
区から4年前、初孫誕生時にもらったものだが、もうかなり大きくなった。花は伸びた枝の先端に咲くので、意外と観察しにくい。7月は結構暑かったが、8月はむしろ雨の降る日が多く、サルスベリもゆっくり観賞するときがなかった。
樹肌は成長に伴って、樹皮が薄くはげ落ち、滑らかになっていく。猿が登ろうとすると、滑って落ちたので、「サルスベリ」の名が付いたらしいが、どうやら猿はスルスル登るそうだ。サルスベリの名の付いている木はほかにもあるらしい。
小さな庭のすぐ前でマンション工事が進んでいる。仮設の管理棟のそばにはトイレと手洗い所、それに自動販売機まで設置されている。管理棟に人影が消えた深夜もそこだけが明るいので何だろうと思ったら、自販機だった。サルスベリの鮮やかな紅色は建設作業員らの目にも入っているのだろうか?